オランダと聞くとイメージするのはチューリップに風車、そしてころんとしたフォルムが可愛らしい木靴。
観光客にはお土産としての人気が高い木靴ですが、そもそもどんな意味があって靴を木で作ってしまったのでしょうか。
調べて見ると見た目のかわいらしさと裏腹に、なかなか優秀な実用品みたいです。木靴の魅力について見ていきましょう。
オランダの木靴は丈夫で実用的。かわいいフォルムも意味がある
オランダといえば日本人が思い浮かべるものといえばチューリップ、風車、運河などかと思います。首都のアムステルダムなんかも知っている人は多いのではないでしょうか。
オランダと言えば忘れてはならない木靴も有名です。木靴の歴史は非常に古く、オランダで見つかった最古のものは西暦1200年頃だと言われています。
木靴と聞けばなんだか履きにくそうなイメージがありますがこれが非常に快適なのです。今回はオランダの木靴に焦点をあてて調査してみたいと思います。
オランダの木靴には次のようなメリットがあります。
■湿気から足を守る
オランダは国土の大部分が入り江を干拓した土地です。湿地などのぬかるみも多いことから、水が浸みない木靴が愛用されていました。
濡れた木靴は、木が膨張することで足を冷えから守ってくれる働きもあるそうです。
大昔、1200年代にはハンノキを材料にしていましたが、現在はぼプラやヤナギが多く使われています。
ポプラはオランダに多くあり、軽くて丈夫なうえ弾力性にも優れているのだそうです。
■安全性が高い
木靴はいわば「安全靴」。重い物や先の尖ったものを足元に落としてもケガを防止してくれます。
農・工業従事者や大工、漁師、石工職人などにも愛用されてきました。
EUから、「すべてのEU加盟国の基準を満たした商品」として「CEマーク」も与えられるほど。
意外にはき心地がよく、健康にも良いと言われています。
オランダの木靴は牛や馬に踏まれても平気?使われて来た意味がある
湿地でも濡れずに歩け、工具を落としたり家畜に足を踏まれてもケガをしないと重宝されてきた木靴。
材料となる木も豊富だったオランダでは、かつてオランダ中で木靴を使っていました。
現在は、お土産用やインテリア目的の木靴が大半になりましたが、地方に行くと今でも木靴で作業している人がいます。
庭に履き古した木靴が置いてあったりすると、独特の情緒があります。
たまに木靴を履いた子供が走り回る姿を見ると、物語のワンシーンのよう。
そんな木靴を日本人が履いて見ると、ちょっと下駄を思い出す感触だとか。
ただ、日本ではその湿度で足が蒸れそうな気もします。
木靴を履く場合は、一回り大きいものを選び、厚い靴下を重ね履きすると履き心地がアップするとともに、冬の外仕事でも足が冷えません。
木靴は見た目のかわいらしさから、植木鉢にしたり、名前を入れて表札に使うなど面白いアイデアでも活用されています。
ポプラから作られるオランダの木靴は体の発育にも意味があった?
最近のオランダ木靴は、多くがポプラです。ポプラの木は次のような特徴があります。
・割れにくい
・水が浸みこまず、泥がこびりつかない
・通気性良い
・加工しやすい
そんなポプラで作った木靴は、汚れても洗いやすく、材料費も安価でした。
また、木靴は足を締め付けることがありません。
若い時に木靴を履くと、脱げてしまわないように足の指に力が入り、脚の甲や脛の筋力が付きます。
足の裏はマッサージされたような動きになり、成長や発育に有利だと言われています。
実は、オランダ人の平均身長は世界の国々のトップ。
男性の平均身長は、183cm、女性でも170cmもあります。
もしかすると、オランダ人の背が高いのは、幼い頃に履いていた木靴にあるかもしれないんです。
圧迫しない木靴のおかげで、脚の形もオランダ人は良好なのだそうです。
身長が高いのが木靴のおかげというのははあくまで推測ですが・・・
オランダの木靴は今も実用品!インテリアとしても人気
日本には木で作られた下駄があったように、世界各地には様々なデザインの靴があります。
その中でオランダの木靴は800年程前から作られていると言われています。
現存する最も古いオランダ木靴は、1230年頃のものとされています。
最近は街中で木靴を履いた人を見かけることは少なくなりましたが、農業やガーデニングなどの場面では愛用され、活躍しています。
見た目には硬そうな木靴ですが、履き心地は良いそうです。
鮮やかに彩色されたり、模様が描かれた木靴。
それらは、農業用、ガーデニング用、魚釣り用、スケート用、日曜だけに履く木靴などがあり、吐く人のライフスタイルが想像できます。
海外から訪れる観光客には、見た目にも可愛らしいとして土産物としても木靴を購入するひとが多いそうです。
オランダの木靴工房を尋ねてみよう!アレンジしてインテリアにも
オランダに観光に行くなら、保存地区のザーンセ・スカンスを訪れてはいかがでしょうか。
オランダの伝統的な生活を守る地区で、観光するにはもってこい。
ザーンセ・スカンスにある木靴工房では、実際に木靴を作っているところが見られる制作実演が行われます。
昔は手作りだった木靴も今は器械で作るので、見学時間は15分程度です。
また、古い木靴もたくさん展示しており、それぞれの木靴の来歴に関しても興味深い話が多くあります。
観光土産としても人気が高い木靴は、シンプルなものから鮮やかでにぎやかな彩色が施されたものまでデザインもさまざま。
「どうせ使わないからお土産としてもどうなの?」と思うかもしれませんが、庭仕事で使うなど実用的。
実際に使用しないとしてもインテリアにも申し分ありません。
靴として使用しなくても、異国情緒もあり、もらう人も喜んでくれるのではないでしょうか。